○IWCという植民地支配機構

○IWCという植民地支配機構

IWC(国際捕鯨委員会)というセイギが世界を席巻している。敢えて正義とは書かずセイギと書くことにする。鯨という存在を、何を勘違いしたのか、これまた西欧の傲慢なる文明が妄想した結果の、名を変えた他国に対する植民地支配が、誤った自然保護という美名のもとに他国の食文化という、文化そのものの根底をなす存在を全否定に近い形で奪いさってから、何年が経過することだろう? 鯨の過剰保護による南氷洋における鯨の異常繁殖が、地球の生態系を著しく狂わせている。鯨の食料であるプランクトンの量が極端に減っている。西欧というかつての植民地支配の思想とIWCの存在とは寸分違わぬ姿として、その思想が根底に在る。西欧の文化の全面的優位性、そこから発信される思想への傲慢なほどの他国への文化的侵略行為。こんなことを考えていると西欧という文化・文明を認めはするが、西欧という文明の排他性に対するどうしようもない怒りがフツフツと湧きだしてくる。そもそも他国の食文化に対する意義申立てなど、どのような国に、あるいは組織においても、主張してはならない行為である。それは意義申し立てをした国の文化の根底を否定する暴挙であり、果ては、当事者国の文化全般に渡る支配を意味する。食文化とは、それほどに重要な存在なのである。

そもそも、ある国における食文化には深い歴史的・思想的・はたまた宗教的理由が在る。他国の食文化を壊すことは、食文化を壊された国の文化・歴史・思想を全否定するがごとき行為である。その意味においてIWCが捕鯨を禁止したことは絶対に許される判断ではない。西欧人というのはどこまでも、傲慢で、他国の文化・文明を次元の低いものと決めつけているが故における、支配の構図が底にある。決して種の保存という名の美名に騙されてはならない。種の保存ということであれば、いまや、保存どころか、鯨という種が増えすぎて、それが地球の生態系を混乱させているのである。他の種の保存は一体、どうするのか? こんなことが起こる理由は、西欧人たちが勝手に創り出した表層的なヒューマニズムが、他国の文化や文明を壊しておきながら、どのような意味合いにおいても反省することのない、20世紀の遺物たる植民地支配の思想を底支えする思想に貫かれている、としか言えないものである。

鯨は日本人にとって、欠かせない蛋白源だった。まだスーパーマーケットというものがなかった時代、人々は地域の市場に毎日通い、その日の食材を手に入れていたのだ。冷蔵庫もやっと切り売りの氷を買って、冷やす程度のものしかなかった時代に、市場には入口・出口の区別はないが、いずれの方にも鯨を売る商店があった。牛肉が高価であり、庶民は豚肉はなんとか無理をせずに手に入れることも出来たが、鯨肉は、鶏肉とほぼ同じ金額で取引きされる最もポピュラーな蛋白源だったのだ。鯨の赤身の味は、噛みしめた感触は牛肉そっくりだったが、味はどちらかと言えばマグロに火を通した味に近かった、と記憶する。今夜のおかずはステーキや、と母親に騙されて、口にほおばった瞬間に、マグロの味がして、随分とがっかりさせられたものだ。小学校の給食のメニューには最低週2回は鯨の煮つけが出た。それだけ鯨という存在は庶民の宝だった、と思う。日本人は鯨の肉は勿論、油、骨に至るまで、その全てを無駄なく生活の中に取り入れた文化を持っていたはずだ。捕鯨の技術は日本が当時世界一だったし、捕鯨量も世界一だっただろう。また、鯨こそ、安価にして庶民が手に入れることのできる重要な食材であり、貴重な油の供給源であり、骨は独特の芸術作品の素材であったのだ。
IWCの構成メンバーとしての国々は、圧倒的多数で、鯨を食する文化がない故に、捕鯨復活に反対票を入れる。その結果は鯨という、かつて慣れ親しんだ存在すら知らない青少年をこの日本に生み出したし、またそのことは、日本における重要な文化を喪失した若者を創り出したということであり、地球の生態系の崩れをもたらしただけなのである。換言すれば、これは西欧人の悪質な文化的侵略である。自国の食文化が他国より優れているなどという傲慢な思想は、それが食に根ざしたものであるが故に、直線的により高度な思想の次元にまで影響を与える。これが最も危険な要素である。どのような国においても他国の食文化の変容を迫るような組織や拘束力を強く持った決定などをする権利はない。こういう暴挙こそが、思想統制という人間の底に根づいている悪魔的な存在に火をつけかねないものである。日本が捕鯨から引き離されて久しい。たとえ、捕鯨が復活したとしても、日本はかつてのような捕鯨大国にもどることはない。何より大切な銛討ちに携わる人々が育つ土壌のないままに長すぎる月日が過ぎ去った。

食生活には基本的に他国に対して口出ししないこと。これが原則だ。日本もその過ちに陥る可能性はある。たとえば、お隣の韓国・朝鮮における犬肉を食するという食文化に対して、犬好きの日本人なら顔をしかめるに違いないが、そんなことは敢えて放置することの方が正しい。犬を食するとう食文化には、それなりの歴史があるのである。自国の文化観や価値観を尺度にすること自体を戒めなければならない、と僕は思う。IWC(国際捕鯨委員会)よ、あなた方は、特に捕鯨に反対する人々は、深く反省すべきである。それにしてもアメリカ政府とは勝手気儘なことを言う。かつては自らが捕鯨国だったのだ。それ自体が文化ですらあった。ハーマン・メルビルの名作『白鯨』が書かれたことをお忘れか?

○推薦図書「集英社ギャラリー<世界の文学>アメリカ(1)集英社刊。これはお買い得な全集の中の一冊です。エドガー・アラン・ポー、マーク・トェイン、ヘンリー・ジェームズなどの名作が収められています。勿論、ハーマン・メルビルの不朽の名作「白鯨」も入っています。ぜひ、どうぞ。

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反捕鯨?—日本人に鯨を捕るなという人々(アメリカ人)
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